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暗がりの冒険

KICX1972-1.jpg

 二日目。午前3時。室道は霧に覆われ、2~3メートル先をみるのがやっとでした。ご来光が拝めるかどうかはわからないけど、天候不良で危険というわけではないし、こんな天候の時だからこそドラマチックな世界を見ることができるかもしれないということで、私たちは頂上へと向かうことにしました。

 昨日早寝をしたとはいえ、いつもなら眠っている時間。起きてはいるけど、身体はふわふわしていて夢なのか現実なのか曖昧な状態でした。それでも、拝めるかも知れないご来光と、そしてまだ辿り着いていない頂上のことを思ったら、あっという間にこころはわくわくしてきて、疲れていたはずの私の身体はすぅっと軽くなりました。
 実際に外に出てようやく、私は霧の中を歩くことが普段はあまりない珍しいことだと気づきました。山に慣れた人にとっては「こんな時もある」「こんなことは(山では)よくある」ということなのかもしれませんが。私は久々の「霧の中にいる」ことが、まるで新たな大冒険のようでどこか興奮しているのをエネルギーにして、真っ白だけど真っ暗な霧の中を、皆と共に出発しました。

 夜明けがまだしばらく先の山には、一人一人が身に着けている小さな懐中電灯のわずかな光のみ。当然ながら周辺に街頭などの明かりもなく、辺りは一面、深い夜の色にすっぽりと包まれていました。美しい木々の緑色も、空の青色も、大地の色が混ざり合った複雑な岩の色も、霧の淡い白色も、見ることはできません。白山に来てからというもの、普段より意識的にあらゆるものを感じようとしていた気がしますが、夜の闇に対しても、同じようにしていました。私が白山の頂上を目指したその間の夜の闇は、とても静かで、穏やかでした。
 一歩一歩足元を照らしつつ、ゆっくりと登りながら、闇の中はそれ以上に奥行きがあるように感じて、大自然の中でもちっぽけな私だと思っていたのに、それよりさらに私という存在が小さく感じられました。
 空を見上げても、霧に包まれているため星は一つも見えませんでした。それでも、空には夜空の深い色が延々と広がっていました。その空の果てがあるのかないのかは、きっと死ぬまで確かめることは出来ない気がするし、ずっと見ていると、何を見ているのか、そして、何か見ていたのかもわからなくなってきて、なんとも不思議な感覚になりました。目を閉じることだったり、瞑想したりすることで心の静けさを得るのにも、つながっているのかな、とも思ったりして。

 闇というと、恐怖や不安の象徴として多く使われていますが、闇は、普段忘れているようなことだったり、自分でも思いもよらないことを引き出してくれる素敵な装置なのかもしれない。夜の色や闇を味わう楽しみに気がついて、私は静かにだけど、うれしくなって、頂上に近づくにつれ息が切れるのを自覚しつつも、顔がほころびました。そして、闇を味わうなら「大自然の中であること」が肝心!なんて、偉そうなことを感じた、山初心者の私なのでした。
 

■ Comment

Chiamiさん

「こわい」という感情を乗り越えようとすると、痛みが伴ったりして大変そうに思えますが、「温かいもの」として捉えることが出来たら、これほどいいことはないですよね。手探りの状態に嫌気が差したり、こわくなったら、霧の中を歩く時の「わくわく」を思い出すといいかもしれないなぁと思いました。

>闇の温かさ
闇にも「温かさ」ってあるんですよね。言葉になってみて、それもあるなぁって思いました。あらゆる物事から「温かさ」を見つけて、感じていきたいものですね。

Chiamiさんの「闇」の視点、参考になりました!

おんぽたんぽさん

>分からないこそ、わくわくしてくる気持ち

どうなるかわからないことに対して、楽しみになることもあれば、不安になることもあって、それは他でもない「わたし」から始まっている想いなんだなと感じました。
「わくわくしてくる気持ち」を持っている私たち人間。その気持ちを創造する力も、私たちにはあるんですよね。いつでも「わくわく」していられるように生きていきたいと思いました。

星飾りも、「わくわく」のひとつですよね♪妹さんやお店にいらっしゃる方々にも、「わくわく」が広がるといいなぁ。。。

霧の中を歩くなんて、幼い頃には年に何度かありましたが(霧が濃い季節というのが、田舎にはあった!)、大人になってから、あのワクワクするような、コワイような感触、味わってないですネエ。

闇というのは、可能性の別称だったり、別の顔なんでしょうね。

可能性の中を手探りで入るというのはとってもおっかないし、あぶなっかしいと思われがちなコトだから、恐怖で踏み出せない人も多い。

自然の中で闇の温かさを体感したら、今度は内面が変ってくるのではと思います。

この経験、是非やっていただきたい方が身近におりますわ…(笑)

友人と夜に山を登る、いいなぁ。。。^^

ご来光を、見ることができるかどうか
分からないこそ、わくわくしてくる気持ち。

人生と同じだなぁと思いました☆

追伸:星飾り、妹もお店に飾れて、
とても喜んでます♪


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プロフィール

nakka

Author:nakka
ご訪問ありがとうございます。

一児の母をしながら、主婦・絵描き・カラーセラピーをしていこうと手探りしながらやってみましたが、心の病気になり、お休みしています。唯一主婦業はペースに気をつけながらやっているところです。

直感的に色を選んで描く色遊びを「天使のらくがき」と名付け、それをウェブ上に載せる目的で始めたブログでしたが、今は、日々の出来事や、思ったり、考えたり、感じたりしたことなどを綴っています。方向性が定まらず、気の向くままなところが「らくがき」みたい、ということで、のんびり続けていけたらと思います。


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■色彩学校「絵の読み解き認定」2級

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